テイラー対アタラー
ワシントン州キング郡上位裁判所
事件番号 98-2-15585-0 SEA
修正訴状(第一次)
ゲーリー・テイラー(Gary Taylor)[注 1]およびキャシー・テイラー(Kathy Taylor)(夫妻)
原告
対
AMWAY CORPORATION(外国法人)、サミール・サピット(Samir Thapit)およびテレサ・D・アタラー(Theresa D. Attalah)(夫妻)、ブラッドリー・ダンカン(Bradley Duncan)およびジュリー・ダンカン(Julie Duncan)(夫妻)、WORLD WIDE GROUP, L.L.C.(ワシントン州有限責任会社)、ATTALAH MOTIVATION, INC.(ワシントン州法人)、ATTALAH ENTERPRISES, INC.(ワシントン州法人)、ATTALAH INTERNATIONAL, INC.(ワシントン州法人)、DUNCAN INTERNATIONAL, INC.(ワシントン州法人)、DUNCAN MOTIVATION, INC.(ワシントン州法人)
被告
上記の原告らは、以下のとおり請求の原因を述べる。
当事者
1. 原告キャシー・テイラーおよびゲーリー・テイラーは夫妻であり、ワシントン州キング郡に居住している。
2. 被告Amway Corporationは外国法人であり、ワシントン州キング郡で事業を行っている。
3. 被告サミール・サピットおよびテレサ・D・アタラーは夫妻であり、ワシントン州キング郡に居住している。Attalah Motivation, Inc.、Attalah Enterprises, Inc.、Attalah International, Inc.はいずれもワシントン州法人であり、サミール・サピットおよびテレサ・D・アタラーが所有・運営し、ワシントン州キング郡で事業を行っている(以下「被告アタラー」という)。
4. 被告ブラッドリー・D・ダンカンおよびジュリー・ダンカンは夫妻であり、ワシントン州キング郡の住民である。Duncan International, Inc.およびDuncan Motivation, Inc.はブラッドリー・D・ダンカンおよびジュリー・ダンカンが所有・運営し、ワシントン州キング郡で事業を行っている(以下「被告ダンカン」という)。
5. 被告World Wide Group, L.L.C.はワシントン州の有限責任会社であり、ワシントン州キング郡で事業を行っている(以下「World Wide」という)。
管轄および裁判地
6. 被告らのすべての作為および不作為は、ワシントン州キング郡内、すなわち上記裁判所の管轄区域内で生じた。
事実の主張
7. Amwayは多種多様な家庭用消費財を製造・流通させており、数十万人のディストリビューターを通じて全国で販売している。
8. Amwayの販売プランはピラミッド型の仕組みであり、ディストリビューターによるAmway商品の購入または販売は、Amwayだけでなく、Amwayのディストリビューター組織のピラミッドにおいてより上位に位置するディストリビューターにも経済的利益をもたらす。Amwayの用語では、ピラミッドの自らの系列で、あるディストリビューターより下位に位置する者を当該ディストリビューターの「ダウンライン」と呼ぶ。自らの系列で、あるディストリビューターより上位に位置する者は「ディストリビューターのアップライン」と呼ばれる。Amwayのディストリビューターとして多額の利益を得るには、他のディストリビューターをAmwayの販売組織に勧誘しスポンサーすることで、相当規模のダウンライン組織を築かなければならない。
9. Amwayは、独立した代理人またはディストリビューターを通じて、異なる階層において、有償で商品を販売、流通させ、またはその他の方法で供給している。これらのディストリビューターは他のディストリビューターを勧誘することができ、当該商品もしくはサービスの販売、または追加の参加ディストリビューターの勧誘、行為もしくは成績の結果として、手数料、相互手数料、ボーナス、払戻し、割引、配当その他の対価が当該プログラムにおいて支払われ、または支払われうる。
10. World Wideはピラミッド型の事業を運営しており、World Wideの「モチベーション」用の書籍、音声テープ、ビデオテープその他の文書資料の販売を義務づけることで、Amwayのディストリビューターによるダウンラインの構築を「支援」している。World Wideは、Amway事業の最上位に位置するその主宰者の利益のために運営されている。World Wideの主宰者は、Amwayのディストリビューターとして得る利益の大半を、World Wideのモチベーション資料の販売と、「モチベーション・ミーティング」の開催から得ている。ダウンラインの者はこのミーティングへの出席を義務づけられ、World Wideおよびアップラインはこれにより報酬を受け取る。
11. World WideはAmwayの売上のかなりの部分を担っており、ミシガン州エイダにあるAmwayの本社に対して相当の影響力を行使している。
12. 被告ダンカンおよび被告アタラーは、World Wide組織内のAmwayディストリビューターである。
13. 被告ダンカンおよび被告アタラーは、書籍、オーディオカセットテープ、ビデオカセットテープなどのモチベーション資料を出版もしくは販売し、またはその両方を行い、米国全土でAmwayディストリビューター向けのモチベーション・ラリーを企画・宣伝する自らの事業を設立した。これらの事業を通じて、被告World Wide、ダンカンおよびアタラーは、それぞれのダウンラインのディストリビューターに大量のモチベーション資料を販売し、米国全土でラリーを開催しており、ダウンラインのディストリビューターはその参加費の支払いを求められる。
14. 被告ダンカンおよびWorld Wideは、収入のかなりの部分を、ダウンラインの者に対するAmway以外のモチベーション資料の販売と、モチベーション・ラリーで得た金銭から得ている。
15. Amwayのディストリビューターおよび World Wideの会員として多額の利益を得るには、他のディストリビューターを「ビジネス」に勧誘しスポンサーすることで、相当規模のダウンラインを築かなければならない。ビジネスに勧誘された個人は、アップラインのダイヤモンド、エグゼクティブ・ダイヤモンド、ダブル・ダイヤモンド、クラウンが新規会員を引き入れるためにミーティングで露骨に誇示する莫大な富が、ただ、勧誘された者たちを搾取し、カセットテープ、ビデオテープ、書籍を定期注文で購入させ、メジャー・イベントと呼ばれるラリーやミーティングに、参加費を支払って出席するよう求め、従わなければ仲間はずれにすることの結果にすぎないことを、AmwayおよびWorld Wideから決して知らされない。
16. 1991年、キャシー・アンダーソン・テイラーは、クリス・ウェレンカ(Chris Werenka)およびペギー・ウェレンカ(Peggy Werenka)のスポンサーのもと、被告らの組織内でAmway事業を開始した。キャシー・テイラーが時間と労力をこの事業に莫大に投じた直接の結果として、彼女は比較的短期間で「ゴールド・ダイレクト」の地位に到達した。
17. Amway事業に関わる以前のいかなる時点においても、被告World Wide、アタラーまたはダンカンは彼女に対し、事業支援資料の販売とミーティングへの出席が、これらの被告がAmway事業を通じて得たと主張する莫大な富を得るために求められ必要であるというだけでなく、これらの資料の販売が違法なピラミッド・スキームを構成することも告げなかった。原告らは、自分たちが被告らの組織内で、被告らの違法な仕組みをさらに広めるために新たな被許諾者を勧誘する許諾を与えられていることを、まったく知らなかった。
18. 被告World Wide、ダンカンおよびアタラーは、Amwayディストリビューターとしての原告らの成功が、被告World Wide、ダンカンおよびアタラーが出版もしくは販売し、またはその両方を行うモチベーション資料の購入と、彼らが主催するミーティングへの出席にかかっていること、またそのような資料とミーティングへの出席がなければ、原告らは成功するAmwayディストリビューターシップを築き維持できないことを、原告らに対し繰り返し表明し、または表明させた。被告World Wide、ダンカンおよびアタラーはさらに、被告World Wide、ダンカンおよびアタラーが制作もしくは販売し、またはその両方を行うモチベーション資料のみを購入すべきであると、原告らに対し表明し、または表明させた。
19. 被告World Wide、ダンカンおよびアタラーはさらに、被告らが「S.O.T.」プログラムと呼ぶ「定期注文」のテープ・オブ・ザ・ウィーク制度を通じて、被告らのモチベーション用音声テープを毎週購入し、ダウンラインのディストリビューターにも購入させるべきであると、原告らに表明した。さらに被告らは、このような被告らの音声テープの毎週の購入が、Amwayディストリビューターとしての原告らの成功およびそのダウンラインのディストリビューターの成功に不可欠であると表明した。被告らは原告らに対し、アップラインまたはダウンラインの他のディストリビューターがテープや書籍の注文をやめ、あるいは被告らの利益になるラリーへの出席をやめた場合には、そのようなディストリビューターを「がんのように切り捨て」、社会生活から排除しなければならないと、何度も告げた。
20. 被告World Wide、ダンカンおよびアタラーはさらに、原告らが成功するAmwayディストリビューターとなり、自分たちのダウンラインに成功するAmwayディストリビューターを生み出す唯一の方法は、被告World Wide、ダンカンおよびアタラーが作成したモチベーション資料および販促資料を購入し、彼らが主催するミーティングやカンファレンスに参加費を支払って出席し、他のディストリビューターを勧誘しスポンサーすることであると、原告らに表明した。
21. 本件に関わるすべての時期において、Amwayは、モチベーション資料およびモチベーション・ラリーに関する被告World Wide、ダンカンおよびアタラーの上記の不実表示がAmwayのディストリビューターに対して行われていること、また実際にはWorld Wide組織内でのそのような資料の販売が、セクションB第4条を含むがこれに限られないAmwayの規則に違反して一貫して行われていることを知っていた。
22. このような不実表示および規則違反の継続を認めることはAmwayの経済的な自己利益にかなうものであり、Amwayは長年にわたりこうした慣行を知らされていたにもかかわらず、ダンカンまたはアタラーのディストリビューターシップを終了させたことはなく、Amwayの規則に違反する彼らの慣行を止めるための信頼に足る努力も行っていない。
23. 被告World Wide、ダンカンおよびアタラーの不実表示を信頼して、原告らは被告World Wide、ダンカンおよびアタラーのモチベーション資料を大量に購入し、ダウンラインにも購入させ、被告らのモチベーション・ラリーに出席した。
24. 上記に加えて、被告ダンカンおよびアタラーは、World WideおよびAmwayの認識のもとで、原告らのダウンラインから原告らを排除し、原告らが築いた組織から切り離すことを常套的に行っていた。
25. 被告らは、さまざまな機会に、AmwayおよびAmway以外の製品を原告らのダウンラインのディストリビューターに直接販売し、または販売させ、それによって原告らのディストリビューターシップ上の関係を妨害した。
26. 被告アタラーは、World Wide、ダンカンおよびAmwayの完全な認識のもとで、原告らのダウンラインのディストリビューターとの関係を妨害し、原告らをアップラインの支援から孤立させる目的で、原告らのダウンラインのディストリビューターに対し原告らを繰り返し中傷した。
27. 1993年半ば、原告らのダウンラインの一人であるロジャー・コノリー(Roger Connolly)は、サミール・アタラーからAmway事業に関する「カウンセリング」を受けていた。サミール・アタラーは、Amwayの規則に違反して、自らの影響力と地位を用い、コノリー氏に2万ドルの借入れをさせ、その金額を土地開発の計画に投資するよう圧力をかけた。アタラー氏はコノリー氏に対し、自らもその計画に資金を投じていると述べ、コノリー氏の投資と利回りを保証した。アタラー氏は、勧誘した投資1件ごとに20パーセント(20%)を受け取ることになっていた事実を一切明らかにしなかった。同じころ、アタラー氏はWorld WideおよびAmwayにおける自らの影響力と地位を用いて、パトリック・シュルツ(Patrick Schultz)を含むがこれに限られない、キャシー・テイラーの他のダウンラインにも圧力をかけた。
28. 1995年前半から半ばにかけて、コノリー氏とシュルツ氏は、アタラー氏から、投資が「うまくいかなくなった」と知らされた。アタラー氏は、実際にはこれらの投資から自らが金銭を得ていたことを、二人に決して知らせなかった。
29. 1993年初め、サミール・アタラーは、原告らのダウンラインのスポンサーの一人である19歳の女性と交際し、性的関係を持つようになった。この関係は1993年8月まで続いたが、アタラー氏が、私的には彼女との性的関係を続けながら、公の場では他の女性に言い寄る意図であることが明らかになった。アタラー氏に嫌悪感を抱いたこの若い女性は、ミーティングへの出席をやめ、原告らの事業から脱落した。原告らはこの関係についてアタラー氏を問いただしたが、アタラー氏は彼女に、彼女の事業には影響しないと請け合った。
30. 1995年末から1996年初めにかけて、被告アタラーは、被告アタラーおよびダンカンの利益のために、ウェレンカ夫妻に利益の大きいAmway事業を手放させようとして、虚偽かつ名誉を毀損する発言を行い、クリスおよびペギー・ウェレンカの権威と地位を損なおうとした。
31. 1995年末から1996年初めにかけて、アタラー氏が、テイラー氏のダウンラインのスポンサーらとの自らの失敗した事業上の取引についてテイラー氏が知っていることに気づいた後、被告アタラー、ダンカンおよびWorld Wideは、最終的に被告アタラー、ダンカンおよびWorld Wideを利する目的で、Amwayディストリビューターとしてのテイラー氏の地位と権威を損なおうとして、テイラー氏のAmway事業内の者に対し名誉毀損的な発言を行う運動を展開した。
32. 1996年中、被告アタラー、ダンカンおよびWorld Wideは、Amwayにテイラー氏の事業を取り上げさせようとして、テイラー氏のダウンラインのディストリビューターに対し、テイラー氏の事業運営に関する些細で取るに足らない欠点についての手紙を書くよう促し始めた。
33. 1993年から1995年の間に、被告アタラー、ダンカンおよびWorld Wideは、テイラー氏に事業を失わせるだけの権限、政治的な人脈、およびAmway内での影響力を自分たちが持っていると、何度も表明した。
34. 1996年2月、テイラー氏は、意見の相違を解決する目的で被告アタラーおよびダンカンと面会した。この面会でテイラー氏は、ウェレンカ夫妻について中傷的な発言がなされたこと、およびコノリー氏とシュルツ氏から不適切に投資を勧誘したことから、被告アタラーを信頼することが難しいと明かした。
35. テイラー氏はまた、少なくともAmwayの「ビジネス行動・規則部門」の責任者であるロン・ミッチェル(Ron Mitchell)を含むAmwayの担当者に対し、アタラー氏が自らの若いダウンラインのディストリビューターの一人に性的な行為を求めたこと、および他の二人のダウンラインのディストリビューターに対して法外な投資の勧誘を行ったことについて連絡した。
36. Amway、ダンカン夫妻およびWorld Wideは、アタラー氏によるこれらの権限の濫用の事例を調査することは一切なく、かえって、彼女が自ら築いた事業そのものを破壊しているというアタラー氏の主張に依拠した。
37. 被告アタラー、ダンカンおよびWorld Wideは、1996年11月26日、Amwayにテイラー氏の事業を取り上げさせた。
38. 事業を失った後、被告アタラーは、買い戻す義務のあった商品および販促資料の買取りを拒否し、彼女が行った業務について彼女に支払うべき金銭を支払わなかった。
第1の請求原因:事業上の期待に対する故意の妨害
39. 被告らは、それぞれ、原告らとそのダウンラインのディストリビューターとの間の契約関係または事業上の期待を故意に妨害した。原告らは、ディストリビューターとの間に多数の有効な契約関係および事業上の期待を有していた。被告らはこれらの関係または期待を知っていた。被告らは、個人的な金銭的利益のために、これらの関係または期待を不法にかつ故意に妨害し、原告らに損害を与えた。
第2の請求原因:チェーン・ディストリビューター法違反
40. 被告らは、それぞれ、RCW 19.102.010に定義される「チェーン・ディストリビューター・スキーム」に関与し、RCW 19.102.020に違反した。
第3の請求原因:犯罪による利得行為
41. 被告らは、それぞれ、窃盗、恐喝および盗品の取引を行うことにより、犯罪による利得行為に関与し、RCW 9A.82.100に違反した。
42. 被告らは、それぞれ、これらの犯罪を1年間にわたり行うことにより、犯罪による利得行為の反復的態様に関与し、RCW 9A.82.100に違反した。
43. 被告らは、それぞれ、犯罪による利得行為の反復的態様に関与する意図をもって、原告らに対する恐喝を故意に組織し、管理し、指揮し、監督することにより、組織犯罪を主導する罪を犯し、RCW 9A.82.060に違反した。
44. 被告らは、それぞれ、犯罪による利得行為の反復的態様から直接または間接に得られた収益を知りながら受領し、その収益をそれぞれの事業の運営に用い、RCW 9A.82.080に違反した。
第4の請求原因:不公正な事業慣行・消費者保護法違反
45. 被告らは、それぞれ、事業の遂行において不公正な競争方法および不公正または欺瞞的な行為もしくは慣行に関与し、RCW 19.86.020に違反した。
46. 被告らの不公正な事業慣行は、とりわけ、被告らの事業の過程で行われたこと、その行為が一定の反復的態様または一般化した行為の流れの一部であったこと、被告らによる反復的な行為であったこと、および被告らによる反復の現実的または相当な可能性があることから、公共の利益に影響を及ぼす。
47. 被告らの行為の結果として、原告らは財産に損害を被った。
第5の請求原因:横領(コンバージョン)
48. 被告らは、正当な理由なく、原告らの事業収益を故意に妨害し、それによって原告らから占有を奪った。被告らの行為は横領(コンバージョン)に当たる。
損害
49. 被告らの行為の直接かつ近因となる結果として、原告らは、公判時に立証される額の損害を被り、調査費用、弁護士費用および訴訟費用を負担した。加えて、原告らは、ワシントン州法に基づき、民事制裁金および複数倍の損害賠償を受ける権利を有する。
以上により、原告らは次のとおり求める。
1. 公判時に立証されうる原告らの損害の賠償
2. ワシントン州法が認める民事制裁金および複数倍の損害賠償
3. 合理的な弁護士費用
4. 合理的な調査費用
5. 訴訟費用
6. 本裁判所が正当かつ衡平と認めるその他のさらなる救済
1998年8月_日提出
GORDON, THOMAS, HONEYWELL, MALANCA, PETERSON & DAHEIM, P.L.L.C.
原告代理人
署名: ジェームズ・B・ミード(James B. Meade) WSBA番号 22852
注
- ↑ 片仮名表記は原綴りからの音訳であり、アムウェイの公式表記ではありません。